できるだけ永久歯を抜かない矯正治療をめざしています
歯が重なり合ってデコボコしている歯並びや前歯を奥に引っ込めたい症例の場合、永久歯(多くの場合は小臼歯)を抜歯してそのスペースを利用して歯をならべる矯正治療がおこなわれます。しかし、健康な永久歯を抜かずに矯正治療が可能なら、それに越したことはありません。当院では、矯正専門歯科医院ならではの最新の装置とテクニックを使用して、永久歯を抜かないだけでなく、より治療期間が短く患者様の負担が軽くなるような矯正治療をご提案します。(”親知らず”は抜歯しなければならないことがほとんどです。これは小臼歯を抜歯した場合も同じです)
POINT 1 固定式拡大装置
取り外しできる床装置で歯列を拡大した場合、装置をはずしたら元にもどったという話を聞きます。これは、時間をかけずに歯を無理やり押し広げたからです。当院では、早く確実に大きく歯列を拡大する必要がある場合、固定式の歯列拡大装置を使用します。この装置では、上顎を骨格から広げるので、あと戻りがありません。また、装置をつけたりはずしたりするわずらわしさもありません。

歯列を拡大するためのスクリューが真ん中にあります(下の治療例のケース)
治療例(8歳男子)
はえかわった上の前歯4本のうち両横の2歯は、一部歯がかさなってデコボコしています。固定式拡大装置で歯列を拡大した後、歯をならべました。治療後は、歯列全体が拡大されているので、犬歯・小臼歯も良好な位置にはえかわってきています。
▼治療前

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▼治療後


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POINT 2 摩擦の小さい(=歯の移動が早い・痛みが少ない)ワイヤー装置
歯を一本一本精密に移動配列するためには、固定式のワイヤー装置(ワイヤーの弱い力を歯に伝達して歯を動かす)が必要になります。当院では、歯の移動において摩擦の少ないデーモンシステムを採用しています。このシステムの場合、歯の移動が早いだけでなく、より弱い力で歯を動かせるため歯に負担が少なく、痛みもかなり軽減されます。

治療例(12歳女子)
このような重度の乱グイ歯のケースもなんとか永久歯を抜かずに治療を終了しました
▼治療前

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▼治療後


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治療例(13歳女子)
小臼歯が歯列の内側にはみ出して、はえてきました。デーモンシステムと途中から固定式拡大装置を併用することで、抜歯することなく歯を配列することができています。

POINT 3 大臼歯の移動を可能にするミニスクリュー(インプラント矯正)
従来の矯正治療では、大臼歯を移動させることはかなり困難でした。歯を移動させる際には、引っ張るもと(固定源)が必要です。前歯を動かす時は大臼歯を固定源にできますが、大臼歯を動かす時は固定源になるものがないからです。しかし、最近、チタン合金製の長さ6〜10ミリ、直径1.5〜2ミリのごく小さいスクリュー(ネジ)を歯ぐきの骨の部分に埋め込んで固定源として用いる方法が開発されました。(インプラント矯正とも呼ばれますが、永久歯のかわりになるインプラントとは全く異なる微小なスクリューです)ミニスクリューを固定源にすることで、大臼歯を動かすことができるようになったため、永久歯を抜かずに治療できる可能性が格段に高まりました。

ミニスクリューを用いることで奥歯を後ろへ動かすことが可能です
治療例(17歳女子)
「デコボコ歯」を伴った「出っ歯」のケースです。ミニスクリューを用いて、奥歯から順に後方へ動かして仕上げました。永久歯の抜歯をせずに治療できました。
▼治療前

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▼治療後


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